Rの実行環境のインストール
統計解析向けのフリー・ソフトウェア

「R言語」略して “R” は,統計解析向けのプログラミング言語です.Rの開発実行環境はオープン・ソースであり,誰でも無償で利用することができます.標準的な統計手法が網羅されているため,実用上ほとんど困ることはありません.
Rの実行環境はインタプリタ型の実装なので,計算命令を1行ずつ実行させる対話型のプログラミングが可能です.また,一連の計算処理を記述したファイルを読み込ませることで,まとまった処理を一括して実行することもできます.
一般的なGUIベースの統計ソフトウェアと比べるとコーディングに慣れるための手間がかかりますが,一度慣れてしまえばGUIによる操作よりも何倍も速く作業できるようになります.また,同じ処理を繰り返し実行したり他の人と処理内容を共有したりする場合も便利です.すでに他の言語によるプログラミングの経験がある方なら,Rのデータ型や関数などを頭に入れることで比較的簡単に使いこなせるかと思います.
以下,Rの実行環境のインストール方法を説明します.
インデックス
動作環境
この記事ではOSとしてWindows11を対象としています.他のOSの場合は適宜読み替えてください.また,各Webページやプログラムは2025年5月時点のものです.今後変更される可能性がありますのでご了承ください.
なお,Windowsで拡張子と隠しファイルを表示するの設定が済んでいるものとします.
インストーラをダウンロードする
R Project公式ページにアクセスします.トップページの冒頭にある "download R" のリンクをクリックします.

インストーラを配布しているWebサイトの一覧が表示されます.今回は一番上の "0-Cloud" へのリンクをクリックします.

"Download and Install R" という項目の中で,使うOSに応じてダウンロードするインストーラを選択します.今回はWindowsを使うので "Download R for Windows" をクリックします.

"Subdirectories" の画面が開きます.ここでは古いバージョンのインストーラやツールなども入手できます.今回は初めてインストールするので,一番上の "base" をクリックします.

最新版のRのインストーラをダウンロードする画面が開きます."Download R-4.5.0 for Windows"(ここに表示されるバージョン表記は適宜更新されます)をクリックして,インストーラをダウンロードしてください.インストーラのサイズはおよそ86MBあります.

インストールする
ダウンロードしたインストーラをダブル・クリックして起動します.「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と確認されるので,[はい] をクリックします.

最初の画面では利用する言語を選択します.ここでは「日本語」を選択して [はい] をクリックします.

利用規約が表示されます.[次へ] をクリックして進みます.

インストールする場所を設定します.特に問題なければデフォルトのままで [次へ] をクリックします.

インストールする内容を設定します.特にこだわりが無ければ,デフォルトの設定のままで [次へ] をクリックします.

起動時のオプションを設定します.ここもデフォルトのままで [次へ] をクリックします.

Windowsスタートメニューに登録するショートカットの設定をします.適宜お好みで設定してください.ここではデフォルトのままとしました.[次へ] をクリックして進みます.

各種オプションを設定します.ここもお好みで設定してください.ここではデスクトップにアイコンを作らないように指定しました.[次へ] をクリックして進みます.

インストールが開始されます.完了するまで待ちます.

[完了] をクリックして終わりです.

動作確認する
Rの実行環境が正常にインストールされたことを確認します.
Windowsメニューを開き,[すべてのアプリ] をクリックします.問題なくインストールが完了していれば "R" の項目にRの実行環境があります.これをクリックして起動します.

"RGui" というRのGUI実行環境のウィンドウが表示されます.このウィンドウ内にある "R Console" というウィンドウに命令を入力することで,対話的に指示を与えることができます.

"R Console" ウィンドウの末尾に ">" から始まる行が表示されています.ここに "plot(cars)" と入力して [Enter] を押します.

次のようなグラフが表示されれば成功です.
ここではRの実行環境に標準で付属しているデータ・セットの "cars" を使いました.これは車の速度に対する停止距離の統計データです."plot()" 関数を使うとデータ・セットの内容をグラフとして表示します.
