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TeraPadのインストール

気軽に使えるシンプルなエディタ

“TeraPad”(テラパッド)は軽量で扱いやすい無償のテキスト・エディタです.実験用のプログラムや,ちょっとした事務処理用のプログラムを書くときに便利です.余計なことで悩みたくない,とにかくシンプルな開発環境で済ませたいという場合におすすめです.

インデックス

動作環境

この記事はWindows10 64bit版を対象としています.他のOSの場合は適宜読み替えてください.また,各Webページやプログラムは2024年10月時点のものです.今後変更される可能性がありますのでご了承ください.

なお,Windowsで拡張子と隠しファイルを表示するの設定が済んでいるものとします.

インストーラをダウンロードする

TeraPad公式ページにアクセスします.ページの中ほどに「ダウンロード」という項目があるので,最新版のインストーラ(今回はtpad1209.exe)をダウンロードします.インストーラの保存先は,デスクトップなどのわかりやすい場所を指定すると便利です.

インストールする

ダウンロードしたインストーラをダブル・クリックして起動します.「この不明な発行者からのアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というメッセージが出るので,[はい] をクリックします.

インストーラの最初の画面では [次へ] をクリックします.

「お読みください」という画面が出るので,[次へ] をクリックします.

「コピー先フォルダの指定」という画面では,TeraPadのインストール先を指定します.今回はデフォルトのままで [次へ] をクリックします.

「コピー準備の完了」という画面が表示されます.お好みで「デスクトップ上にショートカットを作成する」にチェックを付けます.[次へ] をクリックして進みます.

インストールが完了するまで待ちます.

インストールが完了するとTeraPadが自動的に起動して,“readme.txt”というファイルが表示されます.この画面は閉じて構いません.

TeraPadを起動する

インストール完了後にWindowsのスタート・メニューを開くと,“T” の項目に “TeraPad” が追加されています.この項目を展開すると “TeraPad” のアプリケーションがあるので,これをクリックして起動します.

上図の状態でTeraPadのアプリケーションを右クリックすると,コンテキスト・メニュー(いわゆる右クリック・メニュー)が表示されます.この中にある「スタートにピン留めする」をクリックすると,Windowsのスタート・メニューの中にTeraPadのショートカット・アイコンが追加されます.TeraPadをよく使う場合は便利です.

タブや全角スペースを表示する

プログラムを書くときは「タブ」([Tab] キーで入力する)をよく使います.また,プログラム中に「全角スペース」が紛れ込んでいると,発見しづらいバグの温床になり得ます.必須ではありませんが,これらの記号を表示するように設定しておくことをおすすめします.

TeraPadを起動し,画面上部のメニュー・バーから [表示] - [オプション] をクリックします.「オプション」というウィンドウが開くので,[表示] のタブを選択します.「マーク」の項目で「TAB」と「全角空白」にチェックを付けて,[OK] をクリックします.これでタブと全角スペースが表示されるようになります.

画面上部のメニュー・バーの [表示] - [タブの文字数] の項目でタブの文字数を設定できます.お好みで設定してください(今回は4文字分のスペースをとるように設定した).

Python用の表示設定をする

TeraPadには,ソース・コードを読みやすく表示する機能があります(シンタックス・ハイライト).CやJava,HTMLなど様々な言語に対応していますが,残念ながらPythonには対応していません.

TeraPadが対応している “Ruby”(ルビー)という言語は,Pythonと同じく先頭に “#” を書いた行がコメントとして扱われます.また,“in” や “yield” といったキーワード(予約語)もそれなりにPythonと共通しています.そこで,ここではTeraPadがPythonのファイルをRubyとして認識するように設定します.

拡張子の設定

TeraPadを起動し,画面上部のメニュー・バーから [表示] - [オプション] をクリックします.「オプション」というウィンドウが開くので,[拡張子] のタブを選択します.「ファイル拡張子」の項目から“Ruby”を選択します.この状態で [編集] ボタンをクリックします.

テキスト・ボックスが編集状態になるので,もともと書かれている“*.rb”(*はワイルドカードで任意のファイル名を示し,rbはRubyの拡張子)のあとに “;*.py” (セミコロンは区切り文字,pyはPythonの拡張子)と追記します.つまり,次図のように “*.rb;*.py” と入力されている状態にします.この状態で [更新] ボタンをクリックします.

次図のようにRubyの項目が “*.rb;*.py” となっていることを確認して [OK] ボタンをクリックします.

以上の設定で,拡張子が “.py” のファイルはRubyとして認識されるようになります.

キーワードの設定

TeraPadには,あらかじめRubyのキーワード(予約語)が登録されています.ここに,Pythonのキーワードを追加します.

TeraPadの画面上部のメニュー・バーから [表示] - [オプション] をクリックします.「オプション」ウィンドウが表示されるので,[色] のタブを選択します.左側のリストから「Ruby キーワード」を選択して,[キーワード編集] のボタンをクリックします.

「キーワードファイル "ruby.kwd" を作成します。」というメッセージが表示されるので,[OK] をクリックします.

別のウィンドウでTeraPadが起動し,Rubyのキーワードが列挙されているファイルが開きます.

このファイルに以下のキーワードを追加します.基本的にはPythonの予約語ですが,よく使う関数(printやrangeなど)も含めています.

  • False
  • None
  • True
  • as
  • assert
  • async
  • await
  • continue
  • del
  • elif
  • except
  • finally
  • from
  • global
  • import
  • is
  • lambda
  • len
  • nonlocal
  • pass
  • print
  • raise
  • range
  • try
  • with

上記のキーワードを追加したら上書き保存します([Ctrl] + [s] を押す).保存したら,キーワード一覧のファイルは閉じて構いません.

Pythonインタプリタと連携する

以下,Pythonインタプリタのインストールで解説しているとおり,Pythonインタプリタ本体とNumPy,Matplotlibのインストールが完了しているものとします.

TeraPadの画面上部のメニュー・バーから [ツール] - [ツールの設定] をクリックします.

「ツールの設定」というウィンドウが表示されるので,[追加] ボタンをクリックします.

「ツールの編集」というウィンドウが表示されるので,以下のとおり入力します.

  • 名前:Python実行
  • 実行ファイル:cmd
  • コマンドラインパラメータ:/k cd %d & python %n

「名前」は,設定内容に付けるラベルです.今回は「Python実行」としましたが,好きな名前で構いません.

「実行ファイル」は呼び出すプログラムを指定するものです.今回は “cmd” としており,これによって「コマンド・プロンプト」(ターミナル)が起動します.

「コマンドラインパラメータ」はコマンド・プロンプトに渡すコマンド(Windowsのシェル用のコマンド)です.“/k” は処理が完了した後もコマンド・プロンプトの内部状態を保持するためのオプションです.これが無いと処理が完了した後にコマンド・プロンプトの内容が初期化されます.“cd”(Change Directory)はディレクトリ(フォルダ)を移動するコマンドです.“python” コマンドによってPythonインタプリタ本体を呼んでいます.

“%d” や “%n” はTeraPad独自の変数です.これらの意味は,「コマンドラインパラメータ」の入力欄の右側にある [>] ボタンをクリックすると確認できます.“%d” は現在開いているファイルの場所を示すパスで,“%n” は現在開いているファイル名です.

よって,“cd %d” は「このファイルがある場所まで移動する」というコマンドで,“python %n” は「このファイルをpythonインタプリタに渡して実行する」というコマンドになります.今回はこれら2つの命令を “&” でつなげてコマンド・プロンプトに渡しています.

以上の設定ができたら [OK] をクリックして「ツールの編集」のウィンドウを閉じます.続いて「ツールの追加」ウィンドウでも [OK] をクリックして閉じてください.TeraPadのメニュー・バーの [ツール] をクリックして,いま設定した「Python実行」という項目が表示されていれば設定完了です.

Pythonのプログラムを実行してみる

デスクトップなどのわかりやすい場所に “test.py” というファイルを作ります.ファイルを作りたい場所で [右クリック] - [新規作成] - [テキスト ドキュメント] をクリックして作成するか,先にTeraPadを起動して [ファイル] - [名前を付けて保存] でファイルを作っても構いません.

新しく作った “test.py” に以下のコードを記述します.

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
#sin curve
x = np.linspace(0, 2*np.pi, 1000)
y = np.sin(x)
#graph area
fig = plt.figure()
ax1 = fig.add_subplot(1, 1, 1)
#draw graph
ax1.plot(x, y, lw=3, color="blue")
plt.show()

上記のコードを記述したら忘れずに上書き保存します([Ctrl] + [s] を押す).この状態で [ツール ] - [Python実行] をクリックすると,Pythonプログラムが実行されます.次図のようなグラフが表示されたら成功です.

なお,キーボードで [Alt] - [t] - [↓] - [Enter] と順番に押す(同時ではない)と,先ほど設定した「Python実行」ツールを選択して実行できます.何度も入力して慣れるとデバッグするときに便利です.ぜひお試しください.

Pythonプログラムの実行が完了した後も,コマンド・プロンプトのウィンドウは残ります.このウィンドウは閉じて構いません.コマンド・プロンプトを閉じるとグラフのウィドウも消えます.