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技術者のための本質を学ぶ数学3

フーリエ解析

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  • 動画セミナ
    1日分

  • 解説資料
    247ページ

  • 再生時間
    10時間

  • Python
    コード付き

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M-0003-00

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設計・開発で大活躍する万能ツール

電子回路や制御システムの設計,ディジタル信号処理,通信工学,さらには量子力学や固体物性に至るまで「対象を周波数軸で扱う」という考え方が広く使われています.実際に,現場で「周波数スペクトル」という言葉を使ったことがある(聞いたことがある)方も多いと思います.これらに共通するのは「対象の波形を正弦波に分解する」という手法であり,その根幹をなすのが「フーリエ解析」と呼ばれる体系です.設計・開発の現場において,ほぼすべての技術者が何らかの形でフーリエ解析のお世話になっています.

「初等関数と微分・積分」のセミナで触れたとおり,設計・開発において「微分方程式」は非常に大きな役割を果たします.しかし,微分・積分のセミナでは微分方程式を解くための具体的な方法を扱いませんでした.本セミナで扱うフーリエ解析は,技術者が最もよく使う「微分方程式を解く道具」です.微分方程式を解く方法はフーリエ解析以外にもありますが,技術者が設計の現場で使う手法に限って言えば,使用率 No.1 は間違いなくフーリエ解析です.

フーリエ解析を理解せずに設計をすることはほぼ不可能です.逆に,フーリエ解析を習得すればあらゆる分野を一気に理解する大きな足掛かりになります.

限りなく広い応用範囲

物理や工学の基本は「線形システム」です.線形システムとは,注目する物理量(力,運動量,電圧,電流など)の「重ね合わせ」が成り立つことを仮定したモデルです.我々の身の回りの現象は,基本的に線形システムで表現できます.また,技術者が扱う電子回路やロボット,制御システムなどに関係する理論も線形システムを土台として構築されています.線形システムの扱い方を理解すれば,様々な分野で通用する見識が得られます.

線形システムのあらゆる挙動は「線形微分方程式」で表現されますが,本セミナで扱うフーリエ解析は「線形微分方程式を簡単に解くための道具」として生み出されました.コンピュータによる数値解析(シミュレーション)を除けば,技術者が現場で頼れる「唯一の道具」といっても過言ではありません.

その挙動を線形システムとして表現できる対象は,すべてフーリエ解析の守備範囲です.電子回路の設計で使われる「インピーダンス」,制御システムの設計で使われる「伝達関数」,半導体工学(固体物性)で使われる「波数空間」など,物理や工学の幅広い分野でフーリエ解析に由来する用語が登場します.フーリエ解析を習得してから様々な設計・開発に携わると,その汎用性に驚くはずです.

実用的な線形システム論からフーリエ級数の収束定理まで

フーリエ解析における最終的な目標は「線形微分方程式を解けるようになること」です.本セミナでは,この目標に向かって「フーリエ級数」「フーリエ変換」「ラプラス変換」といった道具を揃えていきます.また,フーリエ解析全体の軸となる「関数どうしの内積」という概念についても時間を割いて丁寧に説明します.

フーリエ解析の基本的な道具が揃ったら,技術者が線形システムを取り扱う上でよく使う技法を学びます.「デルタ関数」「畳み込み積分」「インパルス応答」「周波数特性」「伝達関数」などの理解を通して,数多くの技術者に支持され続けているフーリエ解析の威力を大いに体感していただきます.

なお,フーリエ解析の核心には「様々な波形はsinとcosのたし合わせで作れる」という事実があります.知的好奇心が旺盛な方は,これに対して「本当にsinとcosであらゆる波形を作れるの?」と思うかもしれません.この疑問に答えるのが「フーリエ級数の収束定理」です.これは数学的にはやや高度な内容ですが,本セミナの最後では技術者が現場で扱う波形を想定してフーリエ級数の収束定理を導出します.もしご興味があれば,最後までお付き合いください.

実習用のPythonソース・コード付き

本セミナでは,学習の補助としてPython(パイソン)で記述したプログラムによる計算やアニメーションを利用します.Pythonに関する知識は必須ではありませんが,文法を知っていればセミナの内容をより深く楽しめます.

Pythonプログラムの実行環境については,Pythonインタプリタのインストールを参照してください.

前提知識

「初等関数と微分・積分」で解説した内容は既知とします.

  • 「三角関数」の基本的な内容(加法定理,積和公式など)
  • 「多項式関数」,「三角関数」,「指数関数」,「対数関数」の微分・積分
  • 「複素数」の基本的な取り扱い
  • 「オイラーの公式」“$e^{jx}=\cos(x)+j \sin(x)$”

紙とペンをご用意ください

数学を効率よく習得するには,自分の手を動かしながら学ぶことが不可欠です.本セミナでは,重要な項目を扱う場面で「クイズ」と称して簡単な穴埋め問題を用意しています.ぜひ手元に紙とペンを用意し,動画を一時停止して考えながらご視聴ください.

本セミナの内容は,時間的な都合がある中でどうしてもカットできない項目を集めたものです.資料に書かれている数式や図は,本質的な理解を得る上で必ず通るべき「道」です.すべて自分で書き写せば,大きな学習効果が得られます.つまらない試験のためではなく,実際に設計の現場で使う道具として「手に馴染ませる」ことが重要です.

さらにやる気があれば,定義については自分の言葉で説明できるように,定理や公式は自力で導出できるように訓練してみてください.「こんな数式が何の役に立つのだ?」という疑問には,セミナの中ですべて答えているはずです.